« 人間と科学 第313回 体と心の5億年(3)—チャールズ・ダーウィン『ビーグル号航海記』を読む ① | トップページ | 人間と科学 第313回 体と心の5億年(3)—チャールズ・ダーウィン『ビーグル号航海記』を読む ③ »

2020年6月28日 (日)

人間と科学 第313回 体と心の5億年(3)—チャールズ・ダーウィン『ビーグル号航海記』を読む ②

続き:

 『ビーグル号航海記』は、旅を終えた数年後の1839年に出版された。この本の日本語訳は、著者(布施)が若い頃には島地威雄訳の岩波文庫があったが、最近、荒俣宏氏による分かりやすい新しい日本語訳も出た。この新約の「荒俣版・ビーグル号航海記」は、未読だったので、この機会に読んでみた。

 これが面白い。旅は、イギリスを出発したビーグル号が大西洋の島を訪ねるところから始まる。船は、ベルデ岬諸島のサンチャゴ島のポルト・プライヤに停泊する。もちろん、サンチャゴ島というのがどこにあって、どういう島なのかは知らない。ましてやポルト・プライヤという町なのか、まったくイメージがわかない。しかし今はGoogleマップ、さらにはG00gleストリートビューがある。パソコンで地図を見て場所を確認し、さらにはストリートビューで家々の画像などを「道を進みながら」眺める。そうやって読み進めると、旅のリアリティが全然違って見えてくる。山の形や、海に囲まれた小さな島の佇まいは、当時とも変わっていないはずだ。若きダーウィンが見た世界が立ち上がってくるようだ。

 そんなふうにして、ダーウィンと一緒に、南米の南端マゼラン海峡を越え、ガラパゴス諸島へと到着する。ダーウィンは、ガラパゴス諸島で目撃した生物について、このように書く。

 「どこの島でも、陸ガメの場合と同様に、ウミ・イグアナもそれぞれ固有種、あるいは特別な品種がいる」(荒俣 宏 訳『ビーグル号航海記(下)』平凡社、265 p)

 ガラパゴス諸島では、島ごとに動物のからだの特徴が少しずつ違っているというのだ。なぜか。ダーウィンは、ガラパゴス諸島の生物について、こうも書く。

 「つまり、この群島に元来いたごとく少ない固有種群から、ある一種が選び出され、別々の目的にそって変形されたのでは」(同書、243 p)

« 人間と科学 第313回 体と心の5億年(3)—チャールズ・ダーウィン『ビーグル号航海記』を読む ① | トップページ | 人間と科学 第313回 体と心の5億年(3)—チャールズ・ダーウィン『ビーグル号航海記』を読む ③ »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事