Report 2020 祇園祭 ③
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日本人はこれまで多くの輸入感染症=疫病の大規模な流行に翻弄されてきた。弥生人が持ち込んだ結核、平安時代からの大陸との交流で拡散したインフルエンザ、鎖国令下の密貿易で輸入されたコレラ等々。そのたびに多くの犠牲を払ったものの、なんとか克服してきた。
祇園祭の締めくくりとなる7月31日の神事「夏越祭」には、八坂神社の疫神社に疫病退散や息災を祈る「茅の輪」が設けられる。茅の輪をくぐっ無病を念ずる風習は各地にあり、茅を束ねた直径2m余りのこの輪をくぐると疫病を免れるといわれている。
八坂神社では、今年(2020年)はこの茅の輪の設置を繰り上げて、7月1日から疫神社に設置するそうだ、また、八坂神社ではこれとは別に、「新型肺炎感染症なる疫病」対策として臨時の茅の輪を3月初旬から境内に設置している。
茅の輪のお陰もあって、日本の緊急事態宣言は5月25日に全面解除となった。しかし、アメリカをはじめ、ブラジル、ロシアなど、世界には、流行がまだまだ広範囲に広がっているのだ。感染拡大第2波への警戒が怠れない。「こんな時期だからこそ、祇園祭を盛大に行って災疫を祓いたい」という町の人々の本音も聞こえる。
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