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2020年8月 8日 (土)

「内の目 外の目」 第212回 第6の味覚~脂肪酸の味覚と健康のつながり~ ①

安松啓子(東京歯科大学短期大学教授)さんの小論を載せる コピーペー:

◎ 脂肪味とは

 脂肪=トリアシルグリセロールは味覚器を刺激せず味がないが、調理・保存や、唾液リパーゼ等により分解され、脂肪酸になると味覚器を刺激する。1900年代には触覚や嗅覚で脂を感知すると考えられていたが、脂肪酸の受容体が味細胞に存在することが報告され始めた2000年前後から、化学感覚つまり味覚であることが次々に証明された。

 一部の中鎖と長鎖脂肪酸を細胞内に取り込むには結合タンパク質が必要で、味蕾細胞においてもGタンパク共役型受容体 GPR120 やトランスポーターFAT/CD36 が中鎖・長鎖脂肪酸を受容している。最近、筆者(安松)らがマウス鼓索神経単一線維におけるリノール酸とオレイン酸応答を記録したところ、5基本形に応答せず、脂肪酸に最大の応答を示す神経が全体の約17.0%を占めていた。

 また、半数以上の甘味神経・うま味神経が脂肪酸にも応答した。GPR120 を発現しない GPR120-KO マウスではこの脂肪酸神経は激減し、行動実験でこのマウスは、リノール酸とうま味物質のグルタミン酸を区別できなかった。

 このことから、脂肪酸独自の味を感知する味細胞では、GPR120 が重要な役割を果たすことが明らかになった。

 ヒトでは、他の味覚のように明確に表現できる世界共通の言葉はないが、確実に生体に影響を与えていると考えられる。

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