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2020年8月16日 (日)

Science 身体活動のすすめ ⑥

続き:

終わりに

~身体活動量の底上げのために~

 

 地域の中で、歯科の役割は大きい。地域の中でともにヘルスケアを担う重要な担い手として、デンティストにも”身体活動のすすめ”をお願いしたい。口腔健康がきっかけに生活習慣が改善する、ということもあり得る。今後より連携を強め、地域の担い手として共に歩んでいく必要がある。

 身体活動の健康上の利点は量反応関係があることが分かっているが、その関係は直線関係ではないで、模式図にするとカーブを描いて量=反応カーブで増大する。活動量が極端に少ない人がはじめるところの効果が急峻で、その後、カーブは緩徐になる。頭打ちはというと、推進量の10倍くらいまでは悪影響はないということが分かってきている。この現実を知り、なるべく多くの方、特に現在不活動でいる方々に少しでも活動量アップを図ることが、集団全体としての効果を考えるときに非常に重要になる。すぐに目標量に到達する必要は無い。少しでも増やすことが必要。

 運動・スポーツには、喜び、社会的つながり、勝敗、といったかけがえのない魅力がある。運動・スポーツを生活の中に定着させること、社会として、行うことが当たり前になれば、継続的な身体活動の増加につながることは間違いない。啓発の入り口が健康以外であっても、関連する規模は大きい。そのうえでオリンピックは、人々がスポーツに関心を持つ絶好の機会である。見るスポーツだけでなく、自身がスポーツを開始するいいチャンスとなり、そして、継続していく、それこそが、重要なオリンピックレガシーとなり得る。

 スポーツ庁は、2021年開催予定の東京大会の健康や身体活動促進に関するレガシーに向けて、 Sport in Life プロジェクトを始動させた。「スポーツを行うことが生活習慣の一部となる、そのような姿を目指していく。そして健康で活力ある社会へ。それが、スポーツ庁の目指すレガシーである」と記している。長期的な達成を目指す GAPPA, SDGs と合わせ、協働で行っていくことでコベネフィットが生じ得る。

 現在、新型コロナウィルス感染拡大予防のための外出自粛の状況で、集団全体でみると、身体活動量は大幅に減少している。配慮を行いつつ、活動量アップを図ることが重要である。スポーツ庁等関連団体も、「安全に運動・スポーツをするポイント」を提示している。

 このような状況下であるからこそ、なお一層、システムズアプローチにより、安全に配慮した中で、身体活動量アップを図る方法を、皆で考え行っていく必要がある。また、運動・スポーツは健康上の利益にとどまらない。新常態の中でも運動・スポーツ・身体活動の推進を考えていく必要がある。

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