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2020年8月 7日 (金)

デジタル・メディアとアナログ・ジャーナリズム ⑩

続き:

◉ 信用力を磨く

 いま新聞をはじめとするジャーナリズムは、デジタル化の中で最大の苦境に直面している。広告はもはや大きな収入源にならず、電子空間でさまざまな組織や個人が発信力を持ち、新聞のビジネスモデルは大きく揺らいでいる。

 業界ではこの話で持ち切りだ。ただ、河原(私)が危惧するのは苦境に立つ新聞人の焦りがジャーナリズムの核心部分を損ない始めて始めていないかという点だ。その兆候は効率や前例重視の取材、世論や権力との距離感、マニュアル依存の組織秩序など至る所に見え隠れしているように思う。このままでは新聞を自らの仕事や暮らし、思策の基礎として購読している中核の読者にまで見捨てられる恐れもある。

 新聞の生命線はこの中核読者の周りには潜在的な中核読者もいる。大きな経済成長が期待できないこの日本が知識集約型の産業社会として未来を開こうとするのであれば、その数は決して少なくないはずだ。こうした人々の信頼を得ていくには、「マスゴミ」批判の中で低下した信用力を磨くしかない。

 信用力を支えるのは、あふれ返る情報の中で事実を確定する力であり、錯綜する出来事の本質を見極める力だ。そして世論に迎合せず、権力と距離を置く担保だ。それはデジタル時代の対極にあるローテクでアナログな、目先の合理には程遠い営みである。新聞にしかできない仕事をもう一度踏み固める。

 新聞という媒体を再定義していく。ジャーナリズム再生の出発点はそこにあると河原(私)は考えている。

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