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2020年8月14日 (金)

Science 身体活動のすすめ ④

続き:

3) 身体活動促進の成果と今後のアプローチ

 藤沢市全体での成果は実際認められているのか。経時的な定量評価が必要。我々は RE-AIM (Reach : 到達、 Effectiveness : 効果、Adoption : 採用、Implementation : 実施、Maintenance : 継続)モデルを適用し、プロセスも含めた公衆衛生上のインパクト評価を継続的に実施している。

 2015年、4地区介入後の時点での評価では、主要評価項目である身体活動量(生活活動と運動の合計時間:分/日)は介入地区・対照地区で差がなかった(調整後群間差 [95%CI] : -0.02 [-0.11,0.10])。ロジックモデルでいう行動変容の前に起こる知識の獲得について、アクティブガイドの内容に関する知識は介入地区で有意に増加した(介入前3.2%→2年後7.7%、調整後群間差 [95%CI] : 0.82 [0.33, 1.31])。

 2018年には、先に示した身体活動量を2013年、2015年のものと比較した結果、有意な増加がみられた(小熊が執筆中、中間評価報告書 参照)。ロジックモデルに基づき、短期的に改善しうる指標やプロセス評価を含め、戦略の改善をしながら長期的に取り組んでいくことが重要である。身体活動量は、特に65歳以上の高齢者で増加、若い世代では変化が見られない点も明らかになっている。今後高齢者への取り組みを継続・拡大しながら、若い世代に焦点を当てた方法でアプローチをすすめていく必要がある。

 ふじさわプラス・テンプロジェクトは、GAPPAのシステムズアプローチでいうと、直接的には『アクティブな社会を創造』の 1.1「ソーシャル・マーケティングによるキャンペーンの実施に該当。また、多面的・多レベルの介入を行う中では1.2, 1.3, 1.4 あるいは、『アクティブな人々を育む』の中の3.2, 3.4, 3.5 や3.6にも関わっていると同時に、『アクティブな環境を創造』や、『アクティブなシステムを創造』にも関わっていることが分かる。

 藤沢市健康増進計画(第2次)の中では、市の他部門の計画、例えば、「藤沢市スポーツ推進計画」、「地域福祉計画」、「交通マスタープラン」、「ふじさわサイクルプラン」等と相互に関連していることを示している。まさに、今後、相互にコベネフィットを意識し、その先のアウトカム(例えば SDGs の達成目標に示されるような)を見据え、行っていく必要があると著者(小熊)は考える。

 身体活動促進に関するシステムズアプローチの全体像から照らし合わせて考えることで、まだ不足している点、強化すべき点を認識することができる。自らの地域で、関連ステークホルダーが集まってコベネフィット創出に向けて、自分たちのシステムマップを描き出す作業が有益になろう。実際、オーストラリアでは、身体活動豪州システムズアプローチ(the Australian Systems Approches to Physical Activity)というプロジェクトを設立、システムズアプローチの国レベルの実践に焦点を当てた活動を行っている。2020年4月には政策ガイドにまとめており、参考になる。

 

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