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2020年8月24日 (月)

アムネスティ通信――医療・介護従事者を追い詰める国々

雑誌「世界 9」より載せる。 コピーペー:

 6月末、新型コロナウィルス感染症による死者の数が、ついに世界で50万人を突破した。7月半ばには58万人に、この雑誌が出る頃には、残念ながら、もっと増えているだろう。パンデミックは収まるどころか加速している。

 そうしたなか、最前線で尽力している医療・介護従事者が多くの困難に直面していることは、さまざまなメディアでも報じられているとおりだ。人手も防護具も不足、肉体的にも精神的にもぎりぎりのところで働いている。

 国によっては彼らを金銭面で支える動きもある。フランスでは、医療従事者に対する賃上げ支出が政府と労働組合とで合意されら。しかし、南スーダンでは、国立病院の医師らへの給料が2月から支払われていない。グアテマラでは、新型コロナウィルス感染患者用に政府が建てた仮設病院で管理・清掃業務に就いていた46人が、病院開設以来、賃金をまったく受け取っていなかった上に解雇された。業務でウィルスに感染・死亡しても労災補償のない国もあるのだ。

 医療・介護従事者が置かれている現状を懸念したアムネスティは、63の国・地域の状況を調査した。報道や学術記事、労働組合といった市民団体の報告などの文字情報を精査し、国際機関や専門家の話で裏取りして報告書にまとめた。そこから浮かび上がった問題には、防護具不足や差別、不当な待遇だけでなく、対策の不備を批判する者に対する報復もあった。

 アムネスティが調査したうち少なくとも31カ国で、感染のおそれがある労働環境に対して医療・介護従事者のストや抗議があったが、多くの国の当局は、報復的対応をとった。

 米国では防護具不足を訴えた介護職員が解雇され、マレーシアでは防護具を要求しピケを張っていた病院の清掃人たちが「許可なく集まった」として逮捕。エジプトでは「テロ罪」まで適用。同国の医師は「当局が医師に迫っているのは、死か刑務所か、究極の選択だ」と語る。

 医療・介護従事者は、市民を感染から守る国の対応を支えている。しかし、収監されたり、報復を恐れて声を上げられなかったりすれば、その役割を果たすこともできなくなる。

 他にも懸念されるのは、彼らに対する暴力的な差別。メキシコでは看護師が街を歩いていて塩素を浴びせられ、フィリピンでは病院の施設管理員が顔に漂白剤をかけられた。パキスタンでは病院が襲撃されて複数の医師が襲われ、そのうちの一人は、あろうことか出動した反テロ部隊に射殺された。

 政府は医療・介護従事者の命と権利を守らなくてはならない。

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