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2020年8月11日 (火)

Science 身体機能のすすめ ①

小熊祐子(慶応義塾大学大学院健康マネジメント研究科・スポーツ医学研究センター准教授)さん・齋藤義信(神奈川県立保健福祉大学イノベーション政策研究センター特任研究員)さんの共同研究文を記載する。コピーペー:

はじめに

~身体不活動は世界的問題~

 身体活動(physical acttivity)とは、「エネルギー消費をきたす骨格筋の収縮活動によりもたらされるあらゆる身体的な動き」と定義されている。スポーツや運動に限らず、”体を動かすこと全般”を示す言葉である。

 すなわち、スポーツ・運動だけでなく移動・仕事・家事といった生活の領域での活動も含まれる。身体活動には、健康上多くの利点があることが多数の疫学研究で証明されている。それにもかかわらず、身体活動が少ない状況(physical inactivity)は世界規模で蔓延している。Pandemicという言葉も用いられている。身体活動の不足は、世界規模で対策をとるべき公衆衛生上の問題である。

1. 日本の現状

  ~健康づくりのための身体活動基準・指針~

 日本でも超高齢社会において、身体活動の不足は社会的な問題である。2013年3月に厚労省が策定した「健康づくりのための身体活動基準2013」では、身体活動と健康に関するエビデンスの現状をまとめた上で、何をどれだけ行ったらいいのか、基準を示している。65歳未満の成人では中等度以上の強度の身体活動を1日合計で60分以上、65歳以上の高齢者では、強度は気にせず1日合計で40分以上というのが目安である。さらに、「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)では、分かりやすいメッセージを届けることに主眼を置いて、”プラス・テン”(10分でも多くからだを動かすことで、健康寿命を伸ばそう!)ということを強調している。

 このメッセージは身体活動と健康上の利益との関係には量反応関係があることに着目しており、現在不活動の人には、実行までのハードルが低く取り組みやすい行動になることを期待している。またポピュレーションアプローチとして、すべての人が10分ずつ身体活動を行う量が増えれば、平均値は確実に上にシフトし、集団全体への効果が期待できる。そこで、アクティブガイドでは、対象となる方の身体活動実施状況・準備状況を踏まえて、「1.気づく!」、「2.始める!」、「3.達成する!」、「4.つながる!」の4つのステージに分けたメッセージを図(略)で提示している。

 2013年に開始された10年間の健康施策、健康日本21(第二次)では、前のアクティブガイドと連動し、身体活動に関する健康政策は、個人へのアプローチおよび環境整備と、エコロジカルモデルを意識した内容だ。

 目標として、日常生活における歩数の増加、運動習慣者の増加、住民が運動しやすい街づくり・環境整備に取り組む自治体数の増加を目標に掲げている。

 2018年度に実施した健康日本21(第二次)中間評価では、歩数と運動習慣者割合の目標達成は困難な状況となった。今後必要となる対策として、他の生活習慣病対策との連動、評価・目標の妥当性・簡便性の確保と可視化、多様なステークホルダーとの連携・リソースの活用、ソーシャル・キャピタルの構築を目指している。

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