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2020年8月22日 (土)

Message AI と 5G

神田 晋彌(日本歯科医師会常務理事さんは載せています。 コピーペー:

 近年、新しい技術が現れました。一つはAI(人工知能)、もう一つは5Gです。この先30年を考えると、やはりAIが人類社会にとって最も影響が大きいテクノロジーであろうと考えられます。

 現在、世界では自動運転をはじめ、様々な場面でAIが活用されています。例えば、世界的な金融機関であるゴールドマン・サックスにおいては、2000年には600人いたトレーダーがAIの導入により、たった2人になってしまったというニュースが伝えられ、ビジネスマンたちに大きな衝撃を与えました。

 計算や予測が問題となるそうした仕事だけでなく、人間でなければできないと考えられていた、小説や作曲など感性が問われる創作活動もAIがこなせるようになっています。これまで人が行っていた仕事が次々とAIに置き換えられ、さらに、AIによる失業者が出るかもわかりません。

 AIとロボットが発達することは、単純な仕事はロボットのものとなり、失業者が出ると言われていました。ところが、AIの世界では今、ディープラーニングという学習能力の急速な進化が起きていて、判断を必要とする能力自体をAIがディープラーニングで獲得するようになってきています。

 その結果、近未来においては「頭を使う仕事」のほうが先に、AIに置き換わるのではないかとも言われ始めました。「判断」は10年後ぐらいには、AIに任せたほうが良いと言われるほどです。この「判断」の中には、診断も含まれている可能性は高く、治療における診断だけでなく、地域包括ケアなどのシステムにおける判断、提案も含まれると思われます。

 2016年、東京大学医科学研究所付属病院で、米IBMの「ワトソン」が、専門の医師でも診断が難しい特殊な白血病をわずか10分ほどで見抜き、治療方針をたて、結果60代の女性患者の命が救われました。ワトソンは2000万件にのぼるがん研究論文を学習しており、その他にも医師では診断が難しかった2人のがん患者の病名を突き止めるなど、合わせて41人の患者の治療に役立つ情報を提供しています。

 一方、5Gとは「5 th Generation」の略称で、日本語では「第5世代移動通信システム」と表記します。「高速大容量通信」、「高信頼・低遅延通信」、「多数同時接続」という3つの特徴で、日本では2020年春から商用サービスがスタートしています。5Gが普及することで通信速度のアップ、遅延の低減など体感的な部分だけでなく、今までの通信速度では不可能だったことが可能になる未来が見えてきました。

 今後はAIと5Gの普及で、AIによる医科歯科での患者情報の共有、AIでの保健指導、診断、予約、スマホを活用した健診等、歯科診療の在り方自体も大きく変換する時代がやってくるかもしれません。

 未来は大きく変わります。

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