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2020年8月10日 (月)

「内の目 外の目」第212回 第6の味覚~脂肪酸の味覚と健康のつながり~ ③

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◎ 健康な食と歯科の役割

 齧歯類の研究では高脂肪食を連続して食べると、3日目から高脂肪食を好んで食べるようになるという報告や、1日おきに油を(1日1時間前後)与えると正の強化学習、つまり嗜癖になってくる。

 過激なほどの脂が足された食べ物が最近増えた一方で、健康的で素材の味を生かす調理法や店も増えている。食と健康を題材にした番組も多く、少しずつ人の食に対する意識が変わってきているように著者(安松)は感じる。

 こういった動向の中で、歯科の役割も改めて重要だ。即ち、味覚を感じ取るためにはしっかり咀嚼して、唾液のアミラーゼ、リパーゼを分泌させ、小さい分子である食べ物の味成分(脂肪酸、マルトース、グルコース)を生じさせて味を感じる、という流れを生み出させる口腔環境を整えることである。さらに、味覚器が存在する舌の表面の舌苔を除去することも業務内である。

 食事のメニューの中で、健康的な油や調味料の量を約10日続ければ味覚の感度は上がっていく。このような健康増進サイクルを生み出すために、歯科医療の可能性は大変大きい。ウィルス感染による味覚嗅覚の低下の問題も含め、研究と臨床の連携が呼びかけられている気がしてならない。

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