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2020年9月 9日 (水)

人間と科学 第315回 体と心の5億年(5)―チャールズ・ダーウィンの『種の起源』 ① 

布施英利(解剖学者・美術評論家)さんの小論文を記述します。 コピーペー:

 ロンドンの大英自然史博物館に、チャールズ・ダーウィンの肖像彫刻がある。

 この博物館の入り口から入ると、キリンの剝製とキリンの骨格が並べて展示された吹き抜けの広いロビーに出る。正面に 2階に続く大きな階段があり、その階段を見上げると、そこに君臨といった趣きでダーウィンの彫刻が見える。

 自然史博物館には、沢山の動物の剝製や骨格が展示されている。両生類ばかりを集めたコーナー。爬虫類だけを集めたコーナー。哺乳類だけのコーナーには、馬とヒトの骨格を並べ、それを比べながら見られるようにもなっている。かって生命は海で誕生し、それが背骨を持った魚へと進化し、やがてその一部が陸へと生活を移す両生類になり、そして水のある環境から離れ、殻のある卵(それは切り離された「海」だ!)を生む爬虫類、そして哺乳類へと進化した。

 私(布施)は、書斎でいろいろな生き物を飼っている。魚の水槽、カエル(両生類)の水槽、トカゲ(爬虫類)のケース、それにデグーというネズミ(哺乳類)のケージがあり、それらを並べて「ダーウィン曼荼羅」と勝手に命名し生き物を日々眺めている。

 先日は、カエルが卵を産み、それがオタマジャクシになって、カエルへと成長した。このオタマジャクシからカエルへの「上陸」の過程は何度見ても感動的だ。なにしろ、オタマジャクシは水中で鰓呼吸をし、上陸したカエルは肺呼吸する。体が、内臓が、まったく別のものになるのだ。オタマジャクシは、まず後ろ足が生える。この時は、まだ水中生活だ。しかし前足が生えたほぼその時から、肺呼吸をする。この時、陸を用意しておいてあげないと、オタマジャクシは溺れ死んでしまう。そして上陸した後の 5日間ほど、全く餌を食べない。この間に、内臓を、体の仕組みを作り変えるのだ。

 上陸した幼いカエルは、数日も飲まず食わずでどうやって生き延びるのか?それまであった尻尾が徐々に消えていくが、それが生きる栄養になる。いわば自分で「自分の体を食べて」生き延びるのだ。

 

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