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2020年9月15日 (火)

Clinical ~発達不全と低下~ ④

続き:

3. 高齢者対策 ~口腔機能低下症~

 口腔機能低下症の支援は、機能低下が疑われる高齢者に行うため、基本的には指示に従える方が対象となる。又、口腔機能低下症は、明らかに口腔機能が低下した者であって、オーラルフレイルの状態と異なる総合的な概念。そのため、咀嚼力検査(新設)、咬合圧検査(新設)、舌圧検査(改定)等、客観的評価に基づいた管理計画が可能となる。

 1) 口腔機能低下症に関する基本的な考え方

  口腔機能低下症はう蝕や歯の喪失など従来の器質的な障害とは異なり、幾つかか口腔機能の低下による複合要因によって現れる病態である。日本歯科医学会では、「口腔機能低下を適切に診断し、適切な管理と動議付けを行うことで、さらなる口腔機能低下の重症化を予防し、口腔機能を維持、回復することが可能となる」と定義する。

 2) 口腔機能低下症の特徴

  ①疾患名:口腔機能低下症

  ②病 態:加齢だけでなく、疾患や障害など様々な要因によって、口腔機能が複合的に低下している疾患。放置しておくと咀嚼機能不全、摂食嚥下障害となって全身的な健康を損なう。高齢者においては、う蝕や歯周病、義歯不適合等の口腔の要因に加えて、加齢や全身疾患によっても口腔機能が低下しやすく、また、低栄養や廃用症候群、薬剤の副作用等によっても修飾されて複雑な病態を呈することが多い。それで、個々の高齢者の生活環境や全身状態を見据えて口腔機能を適切に管理する必要がある。

  ③症 状:口腔内の微生物の増加、ドライマウス、咬合力の低下、舌や口唇の運動機能の低下、舌の筋力低下、咀嚼や嚥下機能低下など複数の口腔機能が低下している。

 3) 口腔機能低下症の診断

  ①診断基準:口腔機能低下症の7つの下位症状(口腔衛生状態不良、ドライマウス、咬合力低下、舌・口唇運動機能低下、低舌圧、咀嚼機能低下、嚥下機能低下)のうち、3項目以上該当する場合に口腔機能低下症と診断される。

  ②口腔機能精密検査:口腔機能低下症の診断には、口腔機能精密検査として、7つの下位症状についての検査を行う。2つの方法が示されている場合は、どちらの検査方法を用いてもよい。

 本評価法の特徴は、小児の口腔機能発達不全症と異なり、7つの下位症状すべての検査を行って、総合的に判断する必要性がある点である。そのため、自院で検査機器の購入が必須となる。最後まで、自らの口で食事を取ることが楽しみな高齢者も多い。わずかな口腔機能の低下に早めに気付いてあげられることが、これからの歯科医療のキーワードとなる。   

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