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2020年9月24日 (木)

いまこそ <健全な社会> へ ⑧

続き:

● 地球の反応

 一方で、このパンデミックは、地球環境に対しては負のフィードバック効果をもたらすのだった。各国が封じ込め政策を行っている間、地球環境は一時的に回復した。約20億人が封じ込め政策の対象となった3月下旬、大気汚染物質の排出量が大幅に減少し、中国大陸や欧州大陸の上空では青空が広がった。

 大気汚染の改善によって、感染症の死亡者数以上に多くの人命が救われたという推計も出た。環境経済学者マーシャル・バークの推定によると、汚染レベルが2ヵ月低下しただけで、中国国内に限っても、5未満の児童4000人と70歳以上の高齢者73000人の命が救われた。また、欧州では毎年大気汚染で40万人以上が死亡するが、フィンランドの「エネルギーとクリーン・エアに関する研究所 (Centre for Research on Energy and Clean Air)」の調査は、ロックダウン後に大気汚染を再びもたらすような急速な経済再始動を避けるように提案する請願書を、大統領に対して送った。

 WHOも 2020/05/26、「COVID-19から健康的な回復のための宣言」を発表した。同宣言では、自然環境保護を感染症対策の第1番目の処方箋に掲げ、続いて環境汚染を防止するためのエネルギー、食糧、都市政策などを重点政策として挙げている。また、5月末に英国の国会議員は、世界各国のエビデンスに基づいて、「大気汚染の減少こそがパンデミック第二波を回避する有効手段である」という超党派の報告書をまとめた。コロナ危機の間に地球が見せた反応は、感染症の重症化と大気汚染の関連性が指摘される中で、グローバル化による生態学的リスクを緩和するもう一つの選択肢、つまり社会のエコロジカルなトランジション(移行)を示唆する結果となった。

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