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2020年9月18日 (金)

いまこそ <健全な社会> へ ②

続き:

□ 危機へのプレリュード――グローバルな複雑性と新自由主義

「前代未聞」のコロナ危機

 今回の感染症が「危機」と呼ばれる状況を世界中で引き起こしているのは、それが過去40年間に展開された新自由主義グローバリゼーションのシステミックなリスクを様々な領域にわたって開示しているから。特にメディアを騒がせているのは、2つの「前代未聞の出来事」だ。その第一は、感染の流行が世界の各地域に波及する速度だ。COVID-19は、2019年11月下旬に中国の武漢市で初確認、数週間の内に東アジア、欧州諸国を襲い、米国へと波及した。WHOの報告によると、2020/06/20、で、感染症は世界216国・エリア・地域に拡大、感染者数は838万5440人、死者数は45万686人に上がっている。感染症の第一波発生から半年で地球の全体陸に波及したことは、しばしば比較対象となる1918年のスペイン風邪を凌駕するほどだ。各国政府はこの道の感染症に対する準備ができていなかった。また、長年の新自由主義の下で医療に対する公的支出の削減と医療機関の合理化を実施していたため、感染者数の増加の速度に医療の対応が追い付かず、医療崩壊を招く事態が生じた。

 第二の前代未聞の出来事は、感染症の流行を受けた各国政府が雪崩式に非常事態/緊急事態宣言を行い、ロックダウンに踏み切った点だ。国家による厳格な外出規制が発令され、一部の国ではドローンや情報端末機器を活用する監視体制の下で人々の移動は管理されたのだ。経済活動は地球規模で停止、今後、1929年の大恐慌に匹敵する経済危機が到来すると危惧されている。今回の経済危機は、多くの経済学者にとって厄介な事態となっている。2008年のリーマンショック(米国発金融危機)は金融部門の破綻が引き金となったが、今回は真逆のコース、つまり実体経済の一部が停止し、それが金融危機を誘引し、その影響がブーメラン現象となって景気後退を悪化させる事態となっている。さらに、この経済危機が、国家主導で引き起こされた点も前例がない。本来、市場の失敗によって引き起こされた経済危機を救済する役割を果たす国家自身が、危機の主犯格となったのであるのだ。

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