« Clinical 抗血栓薬多用時代に歯科医師が知っておくべきこと ⑥ | トップページ | Clinical 抗血栓薬多用時代に歯科医師が知っておくべきこと ⑧ »

2020年10月 8日 (木)

Clinical 抗血栓薬多用時代に歯科医師が知っておくべきこと ⑦

続き:

 複数の抗血栓薬を内服する状況としては、①ステントや TAVI 留置後の DAPT 、②冠動脈疾患など抗血小板薬が必要な動脈疾患と心房細動など抗凝固薬が必要な疾患が併存した場合、が考えられる。本邦で、心房細動患者の15%が冠動脈疾患を合併しているとされる。

 ステント留置後の DAPT と抗凝固薬が重なれば抗血栓薬が 3 剤併用になる。3剤併用の出血リスクの増大は明らかで、最新のガイドラインでもできるだけ避けるように、とされる。

 DAPT 期間中に消化管出血をきたすと、1年以内の死亡率高いと報告されている。この報告では、消化管出血群は1年間で急性心筋梗塞発症が2倍以上、心臓死が6倍以上多いことが示された。

 出血をきたし出血性ショックで予後が悪い例は一部に限られ、それよりも出血をきたすことで、投与中の抗血栓薬の中断が余儀なくされ、また出血により内因性の血小板凝集能など血栓性が高まることにより、血栓形成が進み、原因疾患である冠動脈疾患の増悪を招き、生命予後を悪くすることが主病態と考えられる。

« Clinical 抗血栓薬多用時代に歯科医師が知っておくべきこと ⑥ | トップページ | Clinical 抗血栓薬多用時代に歯科医師が知っておくべきこと ⑧ »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事