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2020年10月 7日 (水)

Clinical 抗血栓薬多用時代に歯科医師が知っておくべきこと ⑤

続き:

2) 静脈血栓症

 静脈血栓症には、深部静脈血栓症と肺血栓塞栓症がある。下肢あるいは骨盤の静脈に血栓が形成されたものが深部静脈血栓症であり、これが血栓として肺動脈を閉塞したものが肺血栓塞栓症であることから、一連の病態と考えられている。静脈血栓の形成には、3つの要素(血管内皮障害、血液凝固能亢進、血流停滞)が関与し、長時間の座位などで発症しやすく、エコノミークラス症候群と呼ばれることもある。整形外科や婦人科領域の手術後に、下半身の長期安静により生じる院内発症例も多い。最近は下肢静脈エコーと優れた血液マーカー(Dダイマー)の普及により、診断率が高くなっている。治療として、急性期および慢性期に抗凝固薬(ワルファリンもしくは Xa 阻害薬)が用いられる。

3) 人工弁(機械弁)置換術後

 弁膜症治療で弁置換術に用いる人工弁には、生体弁と機械弁がある。機械弁置換術後は、最も厳格な抗凝固療法が必要な病態である。従来よりワルファリンが用いられ、PT-INRは 2~3前後でのコントロールが望ましいとされている。

 ワルファリンのコントロールの難しさから、DOAC での代用が検討されたが、ダビガトランを用いた臨床研究ではワルファリンに比べて劣っており、血栓形成が多く認められたことから、現在は DOAC の使用は認められていない。

4) その他

 広範囲な心筋梗塞では、心室瘤が形成され、心腔内血栓を生じやすくなる。血栓予防の目的でワルファリンが用いられる。

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