Clinical 抗血栓薬多用時代に歯科医師が知っておくべきこと ①
星賀正明(大阪医科大学循環器内科教授)さんの小論文を掲載。コピーペー:
はじめに
本邦の高齢化のスピードは世界一とされる。全人口に占める65歳以上の割合(高齢化率)は、30年前には12%程度だった。先進国で中位以下であったが、類を見ない速さで高齢化率が増加し、最速で超高齢社会(高齢化率21%以上)になり、2019年の高齢化率は28%である。
高齢化が進むと、ことに循環器疾患として、冠動脈疾患をはじめとする動脈硬化性疾患、心疾患、心房細動などがあるが、いずれも抗血栓薬剤を用いることが多い。必然的に、歯科領域の診療で、抗血栓薬内服中の患者に遭遇する頻度が増す。以前は、歯科での観血的処置の際に、出血のリスクから抗血栓薬が中断されることも多かったとされる。
関連学会が、2010年にいち早く抗血栓療法患者の抜歯に関するガイドラインを、2015年には追補版を発出している。基本的なスタンスは、通常の抗血栓薬の投与であれば、中止することなく抜歯を行うべし、ということである。筆者(星賀)は2年前に日本口腔科学会誌に「歯科医が知っておきたい最新の抗血栓療法」とした総説を執筆した。
それから2年足らずの間に、抗血栓療法に関する数多くのエビデンス、新たな概念等が発表された。本稿では、最新の情報を加えて循環器医師の立場から見た抗血栓療法の現状について概説したい。
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