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2020年10月10日 (土)

Clinical 抗血栓薬多用時代に歯科医師が知っておくべきこと ⑨

続き:

6. 特に歯科医師の方に 

 歯科治療の際に、多くの患者が抗血栓薬を内服していることが予想される。まずは、アスピリンおよびワルファリン投与以外にも多くの抗血栓薬があるので、お薬手帳などで確認していただきたい。ガイドラインにあるように、通常、抗血栓薬は中断することなく、抜歯等の手技が行えると考えられる。しかしながら、抗血栓薬治療は多様化し、複数処方の傾向があり、患者個々人によって治療目的が大きく異なる。

 中には、複数診療科からそれぞれ処方されている場合もある。また、特に抗凝固薬には抗菌薬(特に抗真菌薬)との薬物相互作用を示すものが多い。抗血栓薬内服中の患者の歯科治療に際しては、面倒でも処方医との情報交換を行っていただきたい。その場合には、患者を通じて依頼するよりも、直接情報交換が望ましい。

おわりに

 急速な高齢化で増加した循環器疾患は、いずれも抗血栓薬の処方が多い。抗血小板薬、抗凝固薬ともに新規の内服薬が上市され、数多く使用されている。さらに、血管内ステント治療後、心房細動の合併などでは、複数の抗血栓薬(場合によっては3種類以上)が投与されている。診療科を超えた医科歯科連携が現代医療では必須である。本稿がその一助になれば幸甚である。

 

 

 

 

 

 

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