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2020年11月 4日 (水)

Science 口腔環境を支える唾液研究 ⑤

続き:

3. 口腔内各部位でステファンカーブは異なる

 有名なステファンカーブと言えども、口腔全体の環境を捉えたものであることから、局所の状況の説明には心配が出てきた。

 それを払拭したのがある。これは、特徴部位での唾液移動速度と、ステファンカーブを示している。すなわち、最も唾液到達量が多い下顎前歯部舌側部の唾液の移動速度は86.2mm/minで、ステファンカーブの戻りが最も早く約30~40分をカーブは示している。一方、耳下腺唾液開口部に近い上顎臼歯部頬側は、唾液の移動速度は8.2mm/minでpHの戻りは約100分を示す。そして最も唾液量が少なく、pHの戻りが遅かった上顎前歯部唇側では移動速度は0.78mm/minで、200分過ぎてもステファンカーブはもとに戻らないことを示している。

 これは、口唇も舌も動かさないで安静を保った場合を示しているが、実際は口唇、舌を動かすことによって唾液の移動が起こることから、これほど遅くはならないものの、口腔内各部位でのステファンカーブにも大きな差が生じていることが明らかである。従ってう蝕予防説明にステファンカーブを用いる場合には、ステファンカーブは口腔内の各部位で異なることを念頭に置かなければならない。

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