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2020年11月20日 (金)

Clinical 口腔内スキャナー~補綴装置製作(精度・可能性)~⑦

続き:

おわりに

 ここまで口腔内スキャニングデータを用いたいくつかの補綴装置の精度や可能性について述べてきたが、今後さらに応用範囲が広がることは間違いない。現在、社会生活において ICT に代表されるデジタル機器はなくてはならないものであり、今後の歯科界でも同様である。補綴装置の製作は、デジタルテクノロジーの進化と普及によって既存のシステムに代わって、最新の環境に合ったシステムが構築されることになる。

 特に口腔内スキャナーの普及は歯科医院にも歯科技工所にも多くの変化とシステムの改革をもたらすデジタルディスラプション(これは、デジタルテクノロジーによって既存の産業が破壊され、革新的な変化がもたらされることの意味)を生じている。

 歯科技工士の志望者が激減している歯科技工業界の現状を考えても機器のデジタルテクノロジー化は避けられない変化だ。今後、数年以内に口腔内スキャニングから技工物完成に至るシームレスなデジタルワークフローが標準化していき、歯科医院も歯科技工所もシステム変更のイノベーションが必要となる。

 一方で、歯科用デジタル技術は、あくまでも治療のための道具に過ぎないことを頭に留めて、これまで以上に適切な診断と治療法を考えなければならない。また、新しい材料に対して治療後の経過観察を慎重に行い、問題点の把握、調整を行う必要があることを忘れてはならない。

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