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2020年11月21日 (土)

「容量市場」とは何か ①

飯田哲也(環境エネルギー政策研究所(ISEP)所長)さんは「世界 10」に載せている コピーペー:

 この7月、日本で初めてとなる「容量市場」の入札が行われた。8月末に結果が出る予定。多くの人にとっては聞き慣れない「市場」だろう。欧米でも同様または類似した仕組みが施行された段階であり、導入しない国や地域も少なくない。日本でも容量市場への批判は多く、そもそも不要、との声もある。電力市場自由化では周回遅れの日本が、容量市場の導入は急いだ。

 本稿では、容量市場がなぜ登場してきたのか、その成り立ちから説明し、とりわけ「日本型容量市場」の問題点を指摘しておきたい。本来の意図から外れて、新電力や自然エネルギーを封じ込め、原発や石炭と大手電力会社の独占を維持する「官製市場」となるおそれがあるのだ。

容量市場とは何か

 容量市場とは、一言で要約すれば、太陽光発電などの自然変動に対する調整力や万が一の停電を避けるために、将来必要となる電源設備の「容量」確保するための市場のことを言う。従来の卸電力市場が発電した「電力量」(kW時)を取引するのに対して、容量市場は発電することが可能な「容量」(kW)を取引する市場と定義される。

 近年、太陽光発電や風力発電のコストが急速に下がり世界中で急拡大するエネルギー大転換が進行中だ。これが気候危機への切り札として期待されており、今後もこの普及拡大をいっそう加速させる必要がある。

 太陽光発電と風力発電は風や日照などで出力が変動する自然変動電源(VRE)と呼ぶ、燃料が不要のため、卸電力市場にほぼタダの電気として流れ込んでくる。このため卸電力市場の価格が安くなり、価格変動が大きくなる。

 実際に、日本でも卸電力取引所(JEPX)のスポット市場で、九州をはじめ西日本の電力価格が最低の0.01円/kW時で約定する頻度が増加しており、欧州の市場ではマイナス価格になる場合もある。

 その結果、天然ガス火力発電など既存の調整電源は市場に参入できずに稼働率が下がる上に、市場価格も下がる傾向にある。こうなると、新規の調整電源の投資が進まず、既存の電源の維持も懸念される事態になってきた。

 このように、VREを増やせば増やすほどその調整力を維持することが難しくなる、というジレンマに直面することとなった。調整力が減ると、異常気象や万が一の事故・トラブルによる広域停電など安定供給も懸念された。その解決策の一つが「容量市場」というわけだ。

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