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2020年12月17日 (木)

ジェネレーション・レフト宣言 ⑦

続き: 

新世代の政治的プロジェクトに向けて

 勿論、議会政治がそのような制約を抱えているのは、やむを得ない。社会運動のような議会外の行動によって、補完され、その社会的・政治的可能性が所与のものを突破するような「剰余の瞬間」(moment excess) を作り出さなければならないのだ。そう、2011年の議会外抗議活動のように。

 議会外活動は、今まさに、コロナ・ショックという新しい「出来事」を世界が経験しているからこそ、ますます戦略的に重要になっている。パンデミックが引き起こした実体経済の落ち込みによって、人々は突如仕事を失い、また、エッセンシャルワークに従事する人々は、感染リスクに晒されながら、日々の仕事をこなしている。一方で、金融市場は一時的な混乱があったものの、株価はショック前以上の値をつけるようになっている。ここには、かってないほどの実体経済と金融市場の乖離が存在する。

 今回の出来事の経験が、世代、階級や地域ごとにどのような違いを生み、左傾化していくのか、保守化していくのか、現時点で断定することはできない。未来は開かれた状態にある。それゆえ、コロナ・ショックという「受動的出来事」を前にして、社会的・政治的可能性を提示することができなければ、今の若い世代も、年をとるとともに保守化していくことになるだろう。それを防ぐためには、新しい社会に向けた大きなビジョンを描くことが不可欠である。

 幸い、希望は存在する。今ミレニアル世代よりも若いZ世代が、パンデミックのショックを乗り越えつつ、よりいっそう左傾化しながら、台頭してきているからだ。事実、サンライズ・ムーブメント、学校ストライキ、ブラック・ライヴズ・マター、#MeToo など、様々な社会運動が出てきており、集団的主体が形成されるようになっている。とりわけ、このZ世代にとっての最重要の関心事の一つが気候変動問題だ。

 前述したように、ベビーブーム世代の高度経済成長や、グローバル資本主義の「時間稼ぎ」は、自然環境を犠牲にすることによって、成し遂げられてきた。「環境危機のトリレンマ」でいつも犠牲になってきたのは、「環境」だった。そのせいで、Z世代が直面するのは、実体経済の停滞だけではない。山火事、熱波、干ばつ、洪水、スーパー台風……。100年に一度と言われるような異常気象が毎年のように続く気候危機の時代を、生き延びなくてはならない。これが、人類の経済活動が地球全体を覆ってしまった「人新世」の時代の「出来事」に他ならない。

 ここでは、グレタ・トゥーンベリを中心に、コロナ後の世界に向けて、世界中の若者たちが共同執筆した、気候危機についての公開書簡から引用しよう。

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