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2020年12月28日 (月)

人間と科学 第319回 今と似ていない時代(3)―①

中川毅(立命館大学古気候学研究センター長)さんの小論文を載せる コピーペー:

 

       宇宙と気候のリズム

 前回、過去の地球に何十回もの「氷期」があったことを紹介した。氷期は、人類が誕生した後の地球にとって珍しいものですらなかった。過去100万年の間に起こった気候変動を復元してみると、その大半は「氷期」であり、現代のような温暖で安定した時代は、長い氷期と氷期の間につかの間だけ訪れる例外的なものでしかなかった。氷期がそれほど「ありふれた」ものであるなら、次の氷期もいつかやってくる可能性が高いことになる。そうなれば、人類社会に及ぶ影響はとてつもなく大きい。

 今からおよそ2万年前、前回の氷期で最も寒かった時代には、地球の平均気温は今より10度以上も低かった。北ヨーロッパと北米の主要部はすべて、分厚い氷の下に埋もれていた。しかも膨大な量の氷が陸上に蓄えられた結果、海の水はその分だけ少なくなり、世界の海面は今よりおよそ130mも低下していた。日本周辺で言えば、東シナ海は干上がって陸になっていた。韓国と日本を隔てる対馬海峡も、対岸が間近に見えるほどの浅くて狭い水路にすぎなかった。

 もし地球がふたたび当時のような状態になれば、ニューヨーク、シカゴ、バンクーバー、ベルリン、アムステルダム、マンチェスターより北に位置する欧米の大都市は、すべて放棄しなくてはならなくなる。かろうじて生き残った都市も、外洋につながる港湾はすべて海面低下によって機能を失う。これを災害という観点で表現するなら、現代文明の根底を揺るがすほどの「巨大災害」にほかならない。

 氷期はなぜ、どのようなタイミングで訪れるのだろう。そのメカニズムが分かれば、未来の人類の運命もある程度は考察できるようになる。

 

 

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