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2020年12月18日 (金)

ジェネレーション・レフト宣言 ⑧

続き:

 

 私たちは存亡のかかった危機に直面している。この危機解決策は、買ったり、建設したり、投資をしたりすることで手に入れるものでない。気候変動対策の財源を確保するために、気候危機を必ずや促進してしまう経済システムを「回復」させようとするのは、端的に言って、馬鹿げている。私たちの現在のシステムは「壊れている」のではない。現在のシステムは、まさにそれがすべきこと、自らに課されたことを実行しているにすぎない。だから、もはや「修理」することなどできない。必要なのは、新しいシステムなのだ。

 

 資本主義は正常に機能している。まさに、その結果として、環境破壊が進んでいるのである。だから、「新しいシステム」が必要だという。これほど明確な、ジェネレーション・レフトによる反資本主義宣言があるだろうか。

 ここでは、前の「経済」・「環境」・「民主主義」のトリレンマへの明確な答えがある。民主主義と地球を守るために、資本主義を捨てればいいのだ!つまり、求められているのは、資本主義の無限の経済成長から決別し、ケア労働などのエッセンシャルワークを重視する脱成長型社会への大転換である。勿論、そのような常識破りの対案を政治家だけで出せるわけがない。だから、議会外の力を使って、サンダース、コービンでさえも、踏み込めなかった領域へと跳躍しなければならない。

 今後、技術革新や市場メカニズムによって、気候変動は対処できるという、これまで支配的だった前世代の「楽観的」思考は、過酷な現実を前にますます妥当性を失っていく。一方、グレタたちの世代の不安や恐怖は現実となる(いやカリフォルニアの山火事を見れば、すでに現実となっている)。そうなることがわかっているのだから、環境危機の時代の「新しいシステム」を左派・リベラルは今すぐにでも構築すべきである。

 ジェネレーション・レフトは、一つの傾向性ではあるが、日本を見ればわかるように、自動的に新世代の運動が始まるわけではない。その限りで、ジェネレーション・レフトは、むしろ、一丸となってその実現を目指すべき一つの「政治的プロジェクト」なのである。

 ところが、旧来の左派・リベラルは、新しい世代の声に応えることができていない。声に応えるためには、これまでの自らの基本的枠組みが無効であることを認めなくてはならないからだ。だが、対応の遅れが続けば、社会的・政治的可能性は狭まっていき、失望や恐怖が社会の保守化をもたらし、分断や排外主義をますます強めてしまう。

 勿論、若者だけに期待を託すのでは不十分だ。さらに、日本には、ロスジェネ世代特有の問題もある。共闘のためには、世代間のギャップを克服していく必要があるだろう。そのためには、環境を犠牲にした経済成長、国債発行による財政赤字の増大といった世代間の対立を深めるような解決策では無く、<コモン>の拡張や、べーっシック・サービス、生産手段の社会的所有のように、万人が恩恵を受ける普遍的ビジョンを積極的に打ち出し、多様な社会運動を盛り上げることが、人新世の環境危機を「能動的出来事」に転換するための唯一の道だ。

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