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2021年1月12日 (火)

キャシュレス社会のワナ ③

続き:

   「フィンテック」が望んだ法改正

 今回の改正はそもそも、近年台頭する「フィンテック」事業者の要望などから始まっている。フィンテックとは、金融(Finance)と IT (Technology)を融合させるとの意味、キャシュレス決済などを提供する事業者がこれに当る。1年近くにわたり改正割賦販売法のあり方を検討した経産省の割賦販売小委員会での議論を追うと、その全容が見えてくる。

 2019/03/12、の委員会では、事業者側が要望を重ねた。「信用を創造して、なめらかな社会を創る」と謳う。フリーマーケットアプリ「メルカリ」の担当者は「未払い率が高くなると予側されるお客様に対しては、利用できる額を低く設定するように AI に学習させて、そういうモデルを使って、使っていただける額を設定していく」とし、新たな審査手法でも利用者の使い過ぎを防ぐことができ、「安全・安心」が担保できると強調した。

 当時、QR コードの決済サービスを提供していた「Origami」(後にメルカリが買収)の担当者は「従前の信用機関の情報、ないしは信用調査の方法、ここに対しての否定的なものは一切ございません」としつつ、「しかし、それだけでは耐えられなくなってきているビジネスの仕組みが動き出しているというところにご注目いただきたい」と、審査手法などの規制緩和を求めた。

 関係メンバーとして参加していた SBI 大学院大学の沖田貴史教授は「過剰与信はもちろん問題でございますけれども、過小与信も問題でありまして、画一的なものではなくて、その人に併せた適切な与信といったところが技術の進展で図られていく、そういったものが望ましいのではないか」との持論を展開し、フィンテック企業を援護した。

 ごく数人をのぞき、委員の大半が改正に前のめりだった。そもそも経産省は、委員の選定において、過去の二回の改正時には選ばれていた消費者団体からの代表を外すなど、露骨に規制緩和シフトを敷いていた。消費者団体の代表者が加わったのは、中間報告が出た後の2019年10月の委員会からだった。

 

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