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2021年1月 4日 (月)

Science 歯周病とアルツハイマー病 ~関連性とエビデンス~ ④

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 また、非投与群と比較し て、P.gingivalis 投与群では海馬における Aβ沈着の増加、脳内 TNF-αとIL-1βの増加、および脳内 LPS 濃度の上昇を認めた。P.gingivalis  LPSは神経細胞における Aβの産生を誘導した。さらに、LPSとAβの共存はミクログリアにおける TNF-αおよびIL-1βの産生を促進することが明らかとなった。

 これらの結果は、P.gingivalis の感染と、その結果として生じる炎症がADの病態の悪化させることを示唆している。

 ADの増悪機序として以下のことが推察される。

 口腔内の P.gingivalis とその毒素 LPSは血流や腸管を介して脳に移行する。通常それらは血液脳関門(BBB)を通過しないが、血液中の炎症性メディエーターの増加や脳血管の老化、細菌の毒素が BBB に直接作用することで、血管の炎症や血栓を誘発し、その結果、脳血流が低下する。加えて、BBB の透過性が亢進することで細胞や LPS が脳内に侵入する。脳実質に侵入した P.gingivalis と LPS は、Aβの産生を亢進させるとともに、Aβと協働してミクログリアを活性化する。その結果、脳内の自然免疫反応が誘発され、神経細胞が障害される。このような脳の炎症と神経細胞の変性が AD の病態を悪化させる可能性が考えられる。

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