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2021年3月26日 (金)

プラスチック依存社会からの脱却 ③

続き:

汚染物質の運び屋―――マイクロプラスチック

 20c.初頭に始まったプラスチックの工業的生産は、1950年代から急増し、現在では年間の世界生産量が 4億トンを超えるまでに至った。この半分程度がペットボトル、食品関係のパッケージ、レジ袋などの使い捨てプラスチックだ。これらプラごみの一部は、ポイ捨て去れたり、ゴミ箱から溢れたり、風で飛ばされたりするなどして、路面や地面に落ちる。プラスチックは軽いので、雨が降ると流され、川を流れ、最後は海に流入する。世界全体では年間 800 万トンが海へ流入すると推定される。プラスチックの世界生産量の 2%に過ぎないが、4億トンのプラスチックが生産されているので、2%といえども膨大な量となる。

 プラスチックごみは、浮いて海を漂っている間や、海岸に打ち上げられている間に、紫外線や波の力などでぼろぼろになり、微細なプラスチック、即ち、マイクロプラスチック(5mm以下の大きさのプラスチック)となる。

 内分泌攪乱作用を持つ添加剤の中で、油脂になじみやすい親油性のものは、プラスチック製品がごみとなり、さらに微細化してマイクロプラスチックとなっても、残留している。これらの添加剤が生物に摂食されると、消化液の中の油分等により溶かし出されて、プラスチックを食べてしまった生物に吸収され、脂肪や肝臓に蓄積する。そして結局、食物連鎖を通して人間が有害な添加物に暴露されることになる。前述のオモチャへの配合が禁止されている DEHP は、オモチャ以外のプラスチック製品には添加されている。それらのプラスチックが海ごみとなり、劣化してマイクロプラスチックになり、魚貝類に摂食されると、DEHP は魚貝類に蓄積し、魚貝類を通して子どもが DEHP に暴露されることになるのだ。このような添加剤への間接的暴露がマイクロプラスチック問題の核心なのだ。

 適切に処理されずに環境中に排出されてしまったすべてのプラスチックは、遅かれ早かれ劣化し、マイクロプラスチックとなり、生態系の隅々まで汚染するのだ。そしてこのマイクロプラスチックは、食物連鎖における化学物質、特に添加剤の「運び屋」になり、ヒトの免疫系・内分泌系・神経系にも影響を与える可能性があるのだ。

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