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2021年3月 8日 (月)

生物多様性条約 ⑦

続き:

■ ポスト2020枠組み――社会変革への期待

 GBO5、国連サミット、企業や金融機関が求める解決策などが提案されている。2021年には、生物多様性の共通の行動目標が設定される見通しだ。一連の動きを纏めると、「ここ数十年の人と自然の関わり方が新型コロナなどの発生も引き起こしたという認識」のもと、「生物多様性の危機、コロナによる社会・経済危機から復興を機会に、自然の劣化を引き起こしてきた社会経済システムを変えること」、「復興にあたっては自然や気候変動、農業や漁業及び流通加工などの食料システムの課題を”同時に”解決すること」が求められており、そのために、「全省庁、企業を含む全セクターが関与すること」、「生物多様性の損失を止める留まらず”回復させる”という意欲的な目標設定を行なうこと」という論調が強い。

 ポスト2020枠組みは、交渉途中であるものの、2020年12月段階草案である「ゼロドラフト」では、「プラスチック廃棄物をX%減少させる」「持続可能な生産やサプライチェーンの構築により、経済活動による生物多様性への影響を50%削減する」などの数値目標が案として掲げられている。交渉次第では、数値目標の削除、表現の曖昧化もありうるだろう。

 アントニオ・グテレス国連事務総長は、2020/12/02、コロンビア大学での講演で、2021年を「地球の緊急事態(Planet Emergency)」の対策の年にしなければいけないと訴えた。生物多様性は、特定の種や希少な自然を守る話ではない。人がバランスを崩してしまった地球の生命システムを、どのように正常化するという、人の存亡にかかわる話なのだ。

 

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