« 生物多様性とは何か、なぜ重要? ⑧ | トップページ | 生物多様性とは何か、なぜ重要? ⑩ »

2021年3月21日 (日)

生物多様性とは何なか、なぜ重要? ⑨

続き:

自然界の逆襲~人類存続の危機

 新型コロナウィルスのような新興感染症に限らず、いま人間社会は地球環境変動にともなう、様々な自然災害の脅威にさらされている。折しも 2020年の夏、九州地方を中心に記録的豪雨により、深刻な洪水・土砂災害を被っているが、こうした異常気象による水害は、ここ数年、連続して発生しており、こうした気候異変は日本に限らず、全世界に生じていら。

 生態系の劣化により希少種の絶滅が危惧される一方で、害虫や害獣など、人間社会にとって不都合な生物種はその数を増やし続けている。異常気象によって大量発生したサバクワタリバッタがアフリカ~西アジアにかけて農作物に甚大な被害を与えたニュースも記憶に新しい。

 40億年にもわたる生命進化によって構築され持続してきた生物多様性・生態系は、人間が考えるほどヤワな存在ではない。全球凍結や大隕石の衝突など数限りない大異変をかいくくり、生物は進化を繰り返し、生き延びてきた、人為的な環境破壊は、確かに、生物界に対してかってなおほどの大きなダメージを与えていると考えられるが、生物はそれでも、この劣悪な環境に適応し、再び生態系のバランスを取り戻していくように進化を続けることであろう。

 そのプロセスにおいて、生物学的にもっとも脆弱な我々人間のほうが壊滅的な事態を迎える可能性が高い。二足歩行する裸のサルである我々人間は、文明や文化を手にして自らの生息環境を作り変え、自然界から分離した生息域を確保することで生きながらえてきた。つまり、生物学的な変化を経ずして、地球上の様々な環境の中に自らの「王国」を築いてきたのである。そしていま、その文明や文化を支える自然資源(水・空気・食料)が、自然環境の悪化とともに、次第に供給が絶たれようとしている。

 これまでの資源省型グローバル社会の歩みを止めて、他の生物種たちとの折り合いを付けながら生きる自然共生社会へと人間社会が舵を切らない限り、我々人類はいずれウィルスやそれ以外の自然からの災害によって、滅ぼされる―――とまで言わずとも、大きな社会崩壊を招くことになるであろう。

 

« 生物多様性とは何か、なぜ重要? ⑧ | トップページ | 生物多様性とは何か、なぜ重要? ⑩ »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事