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2021年3月25日 (木)

プラスチック依存社会からの脱却 ②

続き:

プラスチックとヒトの健康

 プラスチックに多くの添加物に配合されているのは、その性能を維持し、向上させるため。紫外線吸収剤が多くのプラスチックに加えられているのは、プラスチックの宿命である劣化を遅らせるためだ。この紫外線吸収剤を添加しなければ、時を経ずしてバラバラになっていく。

 生態系の隅々、そして人間にまでプラスチック汚染が広がっている背景の一つには、こうしたプラスチックという素材自体の問題なのだ。プラスチックは炭素どうしの単結合が繋がったりポリマーから構成されるのだ。その単結合は柔軟であるために加工しやすい特徴があり、プラスチックが多岐にわたる用途で使用されるのもこの特徴があるから。一方で、炭素―炭素の単結合は紫外線や酸化によって切れや安くもある。この分解を遅らせるために多くの添加剤が使用されるのであるが、それはあくまで遅らせるのみで、いずれは分解にいく。即ち、プラスチックとは遅かれ早かれマイクロプラスチックになっていくことを避けられない素材だ。これがプラスチックという素材が金属や陶器・ガラスと決定的に異なる。

 プラスチックの添加剤やその反応副生成物の中には、ノニルフェノール、ビスフェノールA、ベンゾトリアゾール類、ベンゾフェノン類、フタル酸エステル類のように、内分泌攪乱作用や生殖毒性を持つもの、即ち、環境ホルモンも含まれる。これらの物質が野生生物やヒトの体内に入れば、ホルモン受容体との結合等により、体内のホルモンバランスを攪乱し、乳がんや子宮内膜症を増加させ、男性の精子数を減少させるなどの異常を引き起こす可能性があることがわかっている。

 たとえば、ポリ塩化ビニルなどに添加される可塑剤のフタル酸エステルの一種 DEHP は、子どもの性的な成長(恥毛の発育や初潮)の早熟・遅延を起こすことが知られている。そのため日本を含む各国で DEHP は玩具への配合が禁止されている。

 さらに、添加剤の中には内分泌攪乱作用の検討が不十分なままで使用されているものもある。ごく最近、内分泌攪乱作用が明らかにされた UV-P という紫外線吸収剤もある。この物質を含め、内分泌攪乱作用を持つ紫外線吸収剤は、ペットボトルの蓋やプラスチック製マイボトル、レジ袋、食品容器など、広く身近にあるプラスチック製品から検出される。

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