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2021年3月27日 (土)

プラスチック依存社会からの脱却 ④

続き:

地球の隅々にゆきわたったプラスチック

 ゴミとなって環境中に排出されたプラスチック以外にも、マイクロプラスチックの発生源がある。化粧品や洗顔剤に配合されているプラスチック製の磨き粉(マイクロビーズ)もマイクロプラスチックだ。食器洗い用のスポンジも多くはプラスチック製であり、とりわけ洗浄力の強さで人気のあるメラミン製のスポンジは、使用したことのある人なら知っているように、すぐに削れて小さくなる。即ち、多量のマイクロプラスチックを発生させているのだ。

 さらに、ポリエステルなどの化学繊維の衣服の洗濯からも多量の化学繊維の糸くず、すなわち繊維状のマイクロプラスチックが発生する。

 最近の合成洗剤・柔軟剤には、芳香剤を含有する「マイクロカプセル」と呼ばれるマイクロプラスチックが含まれる製品も流通している。水野玲子氏が報告されているように、強い芳香剤は「香害」としても社会的問題になっているが、マイクロプラスチックの汚染源としても問題なのだ。さらに、プラスチックは香り成分と親和性が高いので、「香害」を長期・広域化させる点で問題である。

 これらの家庭で発生したマイクロプラスチックは、家庭排水として下水処理場へ運ばれるが、現行の下水処理では完全に削除できないので、一部が川や海に入っていってしまう。これらに加えて、自動車用のタイヤが摩耗したものや、運動場の人工芝が劣化したものなども、雨で洗い流されるなどして海に入ってくる。大気中にもマイクロプラスチックは存在する、都市部から遠く離れた山の空気中からも検出され、南極などの極地からも検出されている。プラスチックごみは地球表面の最深部であるマリアナ海溝でも観察されており、もはやこの地球上にプラスチックが存在しない領域は事実上存在しないのだ。海洋には、50 兆を超える数のマイクロプラスチックが漂っていると推定されている。わずか半世紀の間に、ヒトは地球をプラスチックとその添加物まみれにしてしまったのである。

 

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