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2021年4月 4日 (日)

香害―――新たな空気公害 ⑤

続き:

□ 「香害」の特殊性

 新しく発生した社会問題について、その本質が多くの人に理解されるまでには時間がかかるが、香害について、現段階で以下のような特徴が挙げられる。

① 家庭用品が原因:被害の発生源が、従来の大気汚染のように、自動車排気ガスや工場など産業労働現場にあるのではなく、消費者の生活空間にあり、香りつき合成洗剤・柔軟剤などの家庭用品が原因。

② 性特異的被害:被害者約の8割が女性である。日常生活で洗濯など、家事に女性が多く関わっている現状が起因している可能性がある。また、化学物質過敏症患者には女性が多いとされているが、女性が人工的な香りに反応していることも推定。

③ 嗅覚がターゲット:香害には嗅覚の特殊性が大きく関わる。嗅覚は、動物が危険から身を守る本能と結びついているが、ヒトの嗅覚は他の五感と異なり、ニオイ刺激の嗅覚情報が脳の視床を経ずして直接、情動の中枢である大脳辺縁系の扁桃体に届く。人工的なニオイを吸込み、恐怖などに近い情動反応が引き起こされているように見える。

④ 「嗅覚過敏」と「嗅覚疲労」:同じニオイでも敏感に反応し体調不良を起こす「嗅覚過敏」の人が存在する一方、「嗅覚疲労」の人も多い。嗅覚には“順応” や ”疲労” という特徴があり、同じニオイを嗅ぎ続けるとニオイに麻痺、それで「嗅覚疲労」に陥る。嗅覚敏感な人と嗅覚疲労の人の二極化が進行し、その分断が「香害」の理解を阻んでいるようにみえる。

⑤ 人工物を天然と誤認識:ラベンダーの香りと聞くと天然の香りと勘違いする人が多いが、家庭用品に添加されている香料の90%i以上が人工的に合成されt香料である・”天然” のイメージに騙されて、人工化学物質を吸い込んでいることになる。

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