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2021年4月20日 (火)

Science 口腔内超音波診断のご紹介~オーラルエコー~ ⑤

続き:

6. 口腔内超音波診断の歯科臨床における将来的な可能性

 本稿では、口腔内超音波診断が鑑別診断に有効であったと思われる口腔粘膜の病変に的を絞って紹介した。特に、表在性の扁平上皮癌と良性病変との鑑別や、扁平上皮癌の深達度の評価には有効性が高いと考えられる。現時点での臨床応用は軟組織の診断が主体となっているが、今後一般歯科臨床に超音波診断の特徴を活かすとしたら、たとえば歯周組織の頬舌側の歯槽骨吸収の画像化など、従来のエックス線画像診断の苦手な領域を補うような形でポイントオブケア的に利用していくのも一つの方向性かもしれない。

 将来的に歯科で超音波診断が普及するためには、超音波診断装置本体の小型化・低廉化(タブレット型あるいはスマートフォン型など)とともに、口腔内走査に適した小型探触子(歯ブラシ型など)が求められると考えられる。しかしながら、探触子が小型になるほど視野が限られるため、検査医依存で技術と経験が必要となる、という超音波診断のもうひとつの欠点がより目立つようになってくるものと思われる。その解決のためには、リアルタイムの三次元画像表示法など、直感的に分かりやすい画像表示の進歩と、経験豊かなエキスパートによる遠隔学習や体験学習の機会の提供などのサポート体制が欠かせないと思われ、今後さらに日本歯科放射線学会等の学会を主体とした教育研修体制の充実が求められるものと考える。

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