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2021年4月18日 (日)

Science 口腔内超音波診断のご紹介~オーラルエコー~ ③

続き:

4. 正常口腔内超音波像

 本項では、ホッケースティック型小型術中用探触子により口腔内走査がしやすい舌と頬粘膜の正常像について述べる。

1) 舌

 高分子ゲル音響カップリング材を介在させて舌粘膜面に探触子をあてて走査を行う。舌癌が好発する舌側縁についてみると、粘膜表層から線状高エコー、線状低エコー、帯状比較的高エコー、面状高エコーの順で層状構造が認められる。

 まず、粘膜表面での反射が線状高エコーとしてみられ、その直下に粘膜上皮層が厚さ1mm以内の薄い低エコーとして描出される。さらにその深層には粘膜下結合組織層が中等度の帯状エコー領域として認められ、最深部には筋層が面状高エコーとして描出される。舌中隔は高エコーの厚い板状構造として認められ、櫛の歯のように細い高エコーの枝が舌体内に伸びているのが確認できる。音響カップリング材を介在させて走査することにより、DOI 計測の際に粘膜上皮層基底部を基準として深達度の計測が可能である。

2) 頬粘膜

 舌と同様に高分子ゲル音響カップリング材を介在させて、頬粘膜面に探触子をあてて走査する。粘膜表層から、線状高エコー、線状低エコー、帯状高エコー、帯状低エコーの順で層状構造が確認できる。舌と同様に、まず粘膜表面での反射が線状高エコーとしてみられ、その直下に粘膜上皮層が薄い線状低エコーとして描出される。さらにその深層には粘膜下脂肪層が帯状高エコーに、その下面を裏打ちするように頬筋が帯状低エコーとして描出される。

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