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2021年4月 3日 (土)

香害―――新たな空気公害 ④

続き:

□ マイクロカプセル香害

 「香害」による健康被害をさらに深刻化しているのが、柔軟剤などに含まれるプラスチック製のマイクロカプセルであり、「マイクロカプセル香害」という言葉も生まれた。メーカーは、”はじける香り”  ”香りが長持ち” ”ナノ消臭成分” など、次々と新しい機能を付与した製品を発売している。”はじける香り”とは、プラスチック製のマイクロカプセルの中に香りや消臭成分を閉じ込める技術開発によって可能になったものである。柔軟剤の一つのパッケージの中には、何万個ものマイクロサイズのカプセルが入っている。洗濯後にカプセルは衣類に付着し、空気中で弾けて中身が放出される。数多くのカプセルが同時に破壊されずに、時間をずらして壊れることにより、香りの効果が長持ちする仕組みだ。マイクロカプセルの素材は、ウレタン樹脂やメラミン樹脂などだが、最近では、シクロデキストリンポリマーなど、でんぷん由来の物質で香料などを包接する製品も出回っている。

 こうしたマイクロカプセル技術の生活用品への応用は、河川や海、空気のプラスチック汚染にとどまらず、人体への影響も無視できないレベルに達している。鼻から吸い込まれた微小なカプセルは、肺まで到達するおそれがあるからである。子どもの絵本でも、指で触れるとカプセルが弾け、香りが飛び出す本が販売されているというから、乳幼児でもプラスチックの破片を同時に有害物質を吸い込むおそれがある。

 こうして環境中に微小プラスチック片や、マイクロカプセル素材の合成樹脂モノマー(単分子)が飛び散り、それに加えて消臭成分や香料など数多くの人工化学物質を吸入することにより、香害が起きている可能性が推定される。実際には、とりわけ合成化学の力を駆使して、人工的に生活用品に添加されたニオイは、一つの製品から一度に数千、数百もの複合化学物質を空気中に放つ結果となっている。

 香りつき製品の中でも、香害の元凶である柔軟剤には、香料や消臭成分を含むマイクロカプセルなどの他に、洗濯物をふんわりさせる陽イオン界面活性剤(第 4 級アンモニウム塩)、様々な添加物(防腐剤、安定剤、泡調整剤など)が入っている。また一つの香料、たとえば”バラの香り” を人工合成するには、数十から100種もの化学物質が調合されるが、そのことはあまり知られていない。

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