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2021年4月17日 (土)

Science 口腔内超音波診断のご紹介~オーラルエコー~ ②

続き:

3. 歯科における超音波診断の適応

 探触子の走査法により、口腔外走査と口腔内走査に大別できる。超音波診断は硬組織内部の画像化に適さないため、適応となる歯科疾患顎顔面領域の軟組織に病的変化が生じるものに限定される。歯や骨、空気が存在すると、超音波はその表面でほとんどが反射してしまうため、表面よりも深部波が増加することができない。また超音波の減衰のため軟組織深部お描出にも限界があって、一般的な浅部用の探触子を使用した場合、良好な画像が得られるのは数cm以内である。

 口腔外走査では、適応部位として、大唾液腺、顎部リンパ節、顎関節、顔面・口低などがあげられる。また、口腔内走査では、適応部位では、ホッケースチック型等の小型探触子により、舌、口低、頬粘膜、口蓋、小唾液腺、歯肉・歯周組織を画像化できる。特に、口腔癌の浸潤範囲の評価において有用性が認められており、最近、T分類に含まれた深達度(depth of invasion:DOI) の客観的評価法の一つとして期待されている。

 2017年に国際対がん連合 (Union Internationale Contre le Cancer: UICC) 第 8版、および米国がん合同委員会 (American Joint Committee on Cancer: AJCC) 第 8版の「TNM分類」において、T分類に腫瘍の表面的な広がりに加え DOI が導入された。病理組織学的に、DOIは腫瘍に隣接する正常粘膜部基底膜を結んだ仮想平面から腫瘍の最深部までの垂直距離と定義され、腫瘍の厚さとは異なるものと定義されている。舌癌の厚さ計測に関するシステマチックレビューによれば、口腔内超音波診断の計測値は病理組織のそれと高い相関関係が示されている。DOIについては今後の症例集積による研究が待たれるが、特に DOI が5mm 以下の表在性の舌癌の場合、口腔内超音波診断は病理組織学的な計測に匹敵する十分な正確さを有するとの報告もある。

 当施設で行っている口腔内走査を紹介すると、→高分子ゲル音響カップリング材を併用した超音波口腔内走査で実施。

 ホッケースチック型の小型術中甬探触子の走査面に、厚さ 3mm あるいは 5mm の高分子ゲル音響カップリング材(エコーゲルパッド:八十島プロシード社、など)を短冊状に切断したものを載せ、汚染防止のためラップフィルムあるいはドレッシングフイルム材等で包んで口腔内走査を行う。

 

 

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