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2021年5月17日 (月)

Science 可視光線励起蛍光法の――歯科応用 ⑥

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今後の展開

 経験的な事象として、波長約 405nm の青色励起光によって赤く蛍光する物質(おそらくポルフィリン)の特性とその産生への原因菌の関与についての明確な結論が出ていないため、現在もこの研究を推進している。

 また、検査機器として多くの臨床データを蓄積して臨床疫学的指標の精度を向上させることで、国民のお口の健康や予防歯科に寄与できる検査機器に育てたいと考え、現在、新しいう蝕の診断基準である ICDAS (International Caries Detection and Assessment System) と併用してう蝕を予防管理するシステムを構築する研究を進めている。

 さらに診療室内では、現行のう蝕染色剤とは違う理論で治療介入すべき感染歯質を認識して治療精度の向上に役立つように展開したいと考えているが、一方で今後の超高齢社会において歯科診療室外の施設や在宅における診療への応用と展開を画策することも重要だと考えている。すなわち、施設や在宅などで術野への照明が十分でない環境でも、青い励起光によってう蝕の診察・診断が適切にできるだけでなく、治療介入すべき(う蝕治療やスケーリングなどの)範囲やその介入程度などを正確に認識できることもメリットであると考えている。加えて、洗口が容易でない環境でも染色液を使用しないで正確な治療範囲が認識できることにもメリットがあると考えている。

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