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2021年5月26日 (水)

実装される監視社会ツール ⑨

続き:

デジタル情報リテラシーの向上を

 昨今、日本のデジタル情報リテラシーの現状を知らしめる報道には事欠かない。新型コロナ対策としての接触確認アプリである COCOA の不具合を、厚労省は指摘を受けても対応せず数か月間、放置した。福岡県でも、コロナウィルス感染者の個人情報を匿名化することなく共有し、全く無関係なものにリンクを提供していた。

 指摘を受けても第三者が閲覧できる状態を解消せず、数か月放置した。住基ネット訴訟でも、福岡県下の自治体担当職員には、裁判所の文書照会に対し、「セキュリティポリシーが存在しない」と回答した者がいた。情報の安全管理のための対策・手順書であり、必ず存在する。証言台では「誤解でした」と言ったが、担当者がすぐに思い当たらない現場で、その手順が守られているはずがない。そして、この町だけが特別に遅れているわけではないのが現実です。

 2015年には、日本年金機構から 125万人分もの大量の情報漏洩が起こった。2019年7月には、セブン&アイ・ホールディングスのスマホ決済サービスが不正アクセスされ、サービス開始からわずか4日で入金停止に追い込まれた。2020年9月には、NTTドコモの電子決済サービス「ドコモ口座」を悪用した銀行預金の不正引き出し問題が発覚した。いずれも二段階認証等の初歩的な本人確認手続きを怠った事案なので、民間事業者の情報管理もずさんだった。

 紙ベースの情報をデジタル化したら社会が良くなるわけではない。情報共有には便利だが、漏れれば取り返しがつかないし、利便性が桁違いである反面、悪用された場合の危険も桁違いである。利用者も含め、徹底したリテラシーを事前に確保しなければならない。

 桁違いの危険性は、少数者であっても個人に強制してはならない理由の一つでもある。10万分の1の確率の健康被害でも、ワクチンは自己選択にするしかないのと同じだ。

 

 

 

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