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2021年6月15日 (火)

Clinical 高齢者のポリファーマシーと歯科薬物療法 ④

続き:

4) ポリファーマシー対策としての高齢者への薬物投与の留意事項

   ~高齢者の生理機能への考え方~

 高齢者に生ずる生理機能の変化で最も考えるべきは、腎機能の低下。NSAIDs は腎機能低下させるリストが高いため、軽度の腎機能障害を認めることが多い高齢者においてやむを得ず使用する場合、なるべく短期間・低用量での使用を考えること。NSAIDs は薬剤性腎障害の主要な原因薬剤の一つ。一方、アセトアミノフェン(カロナールなど)による腎障害の副作用報告も多数あるが、アスピリンなどとの複合鎮痛薬の連日、長期投与によって生じる場合が多く、アセトアミノフェン単剤で腎機能障害が起こる証拠は無いとされる。

 また、高齢者に腎排泄型の薬物を投与した場合、腎機能低下により薬物の血中濃度が増大し、体内からの消失の遅延が起こりやすいため、投薬に際しては、投与量減量や投与間隔の延長が必要。従って、少量(例 1/3~1/2 量)から開始、効果、副作用をみながら徐々に増量していくことが原則だ。対象患者の腎機能を考慮して投与量を調節することh非常に重要である。

(1) まず、薬物排泄経路の見極めを

 薬物には体内に入った時に、未変化体で腎臓を通り尿中に排泄される「腎排泄型薬物」と、腎臓で代謝されて薬効を失い、代謝物として胆汁に排泄される「肝消失型薬物」がある。腎機能低下している患者に腎排泄型薬物を投与する場合は注意が必要で、同様に肝臓機能低下している患者に肝消失型薬物を投与する場合も注意が必要。

 「腎排泄型薬物」か「肝消失型薬物」かは、添付文書で調べることがdきる。――抗菌薬のセフカペンピボキシル(フロモックス)の添付文書の高齢者への投与の項に「本剤は腎排泄型の薬剤であり」と記載されている。また、薬物動態の代謝の項には「ほとんど代謝されることなく主として腎から排泄される」と記載されていることから、セフカペンピボキシルは腎排泄型であると判断することができる。

(2) プレガバリンを例に

 神経障害性疼痛治療薬であるプレガバリン(リリカ)を例にとり、より詳細に解説すう。プレガバリンは神経障害性疼痛の第一選択薬として用いられており、歯科保険適用が認められている。プレガバリンのインタビューフォームには、「本剤は主として未変化体が尿中に排泄されるため、腎機能が低下している患者では、血漿中濃度が高くなり副作用が発現しやすくなるおそれがあるため、患者の状態を十分に観察し、慎重に投与する必要がある。腎機能障害患者に本剤を投与する場合は、クレアチニンクリアランス値を参考として本剤の投与量及び投与間隔を調節すること」とある。また、副作用として最も頻度が高いのは眠気、ふらつきである。

 

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