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2021年6月 2日 (水)

人間と科学 第324回 植物と薬と人間(2) ②

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 クマザサの葉がないときは、シソの葉でくるんでいた。シソの葉で蒸かしたものは、シソの葉を剝がさずにそのまま食べられる。爽やかに香りがするが、これもペリルアルデヒドというテルペノイド成分である。赤ジソを使った時は、赤色のアントシアニンであるシソニンも同時に口にすることができる。シソニンはポリフェノールの一種で、抗酸化作用や抗炎症作用が知られている。

 このように、私たちの日常生活のうるおいや健康維持に、植物成分は欠かせないものになっている。

 私たちが現在も使っている多くの薬も植物成分が基になっている。植物から得られた薬として身近なものの代表に、コーヒーやお茶に含まれるカフェインがあげられる。カフェインは眠気の防止を目的とする薬に使われ、総合感冒薬、頭痛薬、咳止め薬などに含まれる。カフェインやタバコに含まれるニコチン、アヘンに含まれるモルヒネのように、その分子中に窒素原子を含む植物成分はアルカロイドと総称される。多くの場合、その水溶液がアルカリ性を呈することからアルカリ様の成分という意味である。アルカロイドは強い薬理活性を有することが多く、古くから薬の宝庫であった。

 また、ソバなどに含まれルチンは抗酸化作用を有し、血管を丈夫にすると言われているポリフェノールの一種である。ポリフェノールは分子中にフェノール性水酸基(ベンゼン環についた OH 基)を複数有する化学物のことであり、活性酸素種を除去する抗酸化作用を示す。ソバに含まれるルチンの他、ブルーベリーに含まれるアントシアニン、大豆のイソフラボン、お茶のタンニンなど身近なものも多い。緑茶から抽出したポリフェノールは実際に商品としてもガム、マウスウォッシュ、飴、タブレットとして口腔ケアにも使われている。茶カテキンは認知機能にも有効とも言われ商品化もされている。

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