« 人新世――新たな地質時代の科学と政治 ② | トップページ | 人新生――新たな地質時代の科学と政治 ④ »

2021年6月22日 (火)

人新世――新たな地質時代の科学と政治 ③

続き:

 GSSP (国際標準模式層断面および地点)の主要なマーカーの最有力候補は放射性核種である。といっても爆弾や核兵器が地球システムを変化させたということではなく、20.c 中盤に人工的に生み出された放射性核種が、ほぼ地球全土の地層で、特定の時代にくっきりと刻み込まれているからだ。ほかにもフライアッシュ(石炭燃焼時に生じる灰の一種)や重金属、プラスチック、人為起源の岩石、侵襲性軟体動物、人工物化石など、科学的に人新世を示しうるエビデンスには事欠かない。

 しかし、新しい地質時代が承認されるまでのハードルは高く、AWG の提案が最終的に合意に至る保証はない。

 こうした地質学的な作業に直接関与している地球システム研究者は少ないが、その成果は地質学者による知見を強力に裏付けている。たとえば、人新世においては「地層学的変化と地球システムの変化の間に、重要な関連」があることがわかっている。現在は、地球層序学(geostratigraphy : 層序学(stratigraphy ) は地層の新旧を検討する地質学の一分野)と ESS の両方の検討から、人類集団が地球の変化の決定的動因であると見なされている。

« 人新世――新たな地質時代の科学と政治 ② | トップページ | 人新生――新たな地質時代の科学と政治 ④ »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事