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2021年6月30日 (水)

いま、この惑星で起きていること――新技術は地球を救うか? ②

続き:

■ 凍らない北極海

 凍らない港に憧れ、南の海を目指したかってのロシアだが、今となっては何もしなくても港から氷が消えていく時代になった。北極海の氷は融解し船の航行が容易になって、ついにこの冬、ある記録が作られた。

 黒夜の季節に、ロシアのタンカーが北極海航路(ロシア側北東航路)を片道どころか一往復もしてしまったのである。真冬にこの航路を航行できたのは史上初の出来事だそうだ。このタンカーは、ロシア国有の船会社ソヴコムフロトが所有する「クリストフ・ドマルジェリー号」で、全長 300m もの船体を持つ、砕氷液化天然ガス運搬船である。この巨大船は、1月5日にロシア中部のサベッタ港を出発、それから 11日後に、ロシア北東部のドジェネフ岬に到着した。この間タンカーは、砕氷船の護衛なしに約 5000 kmも単独で航行したことになる。その後船は南に舵を取り、10日後に中国江蘇省に到着、ここで液化天然ガスを荷揚げした。翌日には早々と中国を出発し、途中氷砕船の助けを借りながら、2月19日にはサベッタ港に帰港している。航海はおおむね順調で、道中遭遇した海氷は最大でも 1.5m ほどの厚さと、難なく砕いて通れるほどだったという。同船は昨年5月にも、大型船としては史上最も早い時期に同ルートの航行に成功したばかりだった。

 昔なら見向きもされなかった北極海や寒冷地が、今や「宝の山」に化けようとしている。欧州の大手会計事務所が「温暖化で得をする国」と「損をする国」を数えたら、前者が 70カ国、後者が 130カ国だったという。勝者はロシア、カナダ、北欧、韓国といった寒冷地で、その逆は温暖な中東やアフリカの国々だった。

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