« いま、この惑星で起きていること――新技術は地球を救うか? ② | トップページ | いま、この惑星で起きていること――新技術は地球を救うか? ④ »

2021年7月 1日 (木)

いま、この惑星で起きていること――新技術は地球を救うか? ③

続き:

てるてる坊主から人工降雨に

 話は変わるが、てるてる坊主のモデルは、幼気な美少女だったらしい。その昔、北京の人びとが降り止まぬ雨に頭を抱えていた。かれらが天に祈ると、雨を操る王様が現れて、少女が嫁に来るなら雨を止めてやろうと言い出した。泣く泣く娘が承諾すると、見事に空が晴れ上がったという。この少女がてるてる坊主の原型といわれるが、もはやその姿に美少女の面影は見当たらない。

 近年、中国では異常高温や干ばつが増加している。砂漠は急速に拡大し、風に乗って飛ばされた黄砂は都市の住民を苦しめる。そのうえ食糧難や害虫被害も頻繫に起きている。その解決策として、政府はやっきになって人工の雨を降らせている。

 人口の雨はどうやってできるのだろう。雲の素となるヨウ化銀やドライアイスを空に撒布すると、空気中の水分と遭遇して雲となり、それが雨粒に成長して空から落ちてくるのである。その「種まき」の方法は、地上から煙を焚いて上昇させるほか、航空機、ロケット、ドローン、はたまた飛行機を撃ち落とすための対空砲を使用する方法もあるという。もはや天気を変えるために少女を差し出す必要はなくなった。

 中国では 2025 年までに、人工降雨対象エリアを国土の半分にまで拡大しようと計画中である。しかし空に種をまけば雨が無限に降るわけではなく、その周囲では逆に降らなくなってしまう。このため国境に接するインドは中国の計画に戦々恐々としており、新たに対立の火種となっている。

 そんな中国で先日、事故が起きた。3月、江西省で人工降雨の作業中だった小型飛行機が墜落し、3人の気象局職員を含む 5人が死亡した。機体は民家に墜ち、住宅が延焼、住民がケガを負って病院に運ばれた。江西省では昨年10月から干ばつが続き、カラカラの空気を潤すために、2週間で75回も種まき作業が行われていたという。

 

« いま、この惑星で起きていること――新技術は地球を救うか? ② | トップページ | いま、この惑星で起きていること――新技術は地球を救うか? ④ »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事