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2021年7月 7日 (水)

Science 幹細胞を用いた歯周組織再生治療の可能性について ①

岩崎剣吾(大阪歯科大学中央歯学研究所講師)さんの研究小論です。:コピーペー

はじめに

 歯周病はグラム陰性細菌の定着、増殖を原因とする歯周組織の慢性炎症性疾患である。歯周炎局所では慢性炎症が長期間にわたって存在することによって、歯を支える歯周組織の破壊が進行し、最終的に罹患歯は支持組織の減少によって抜歯に至る。歯周病は現代の日本人において最大の抜歯原因であり、咀嚼・発音などの口腔機能を良好に維持するためにも歯周病治療が重要であることが広く認識されているところである。さらに近年の研究では、口腔局所の炎症である歯周炎が糖尿病、心臓血管疾患、低体重児出産、骨粗鬆症などのさまざまな全身疾患の病態と関係する可能性が報告され、全身の健康維持の観点からも歯周治療の重要性が強調されている。

 日常臨床において、お目にかからない日はないと思われるほどの歯周病であるが、適切なブラッシング方法の導入や歯石の除去などによって、病原因子であるプラーク細菌を排除する条件が獲得されれば、歯周組織の慢性炎症は消退し、組織破壊の進行も停止させることが可能である。ほとんどの慢性歯周炎はこのような従来の歯周治療を行うことで、進行停止の状態へ導くことができると考えられるが、残念ながら、一度破壊されてしまった歯周組織は再び元の状態へ戻ることはない。そこで、破壊された歯周組織を再び作り上げる”再生”を目的とした歯周組織再生の試みが研究・臨床レベルで広く行われている。

 本稿では、近年行われている幹細胞を用いた歯周組織再生の試みについて概説する。

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