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2021年7月30日 (金)

祝賀資本主義のグロテスクな象徴 ①

本間 龍(著述家)さんは「世界 6」に載せている。コピーペー:

◉ 祝賀資本主義の醜悪な見本、東京五輪

 米国の政治学者で、バルセロナ五輪の米国サッカー代表でもあったジュールス・ボイコフ氏の唱えた「祝賀資本主義」とは、五輪などの祝賀的なイベントに乗じて、民間企業における資本の蓄積が、公共(国)による助成によって加速する原理である。

 その主張おおむね以下の通りであるが、そのすべてが見事に東京五輪に当てはまる。その理由を簡潔に説明する。

① 例外状態の発生――統治機構が法を超越して決定権限を行使。非常事態だから何でも許される状態が発生

 これはまさに現在進行形だ。深刻なコロナ禍で国民の8割近くが開催を反対する民意を無視しても、政府は「人類がコロナに勝利したという証」のためにと称して、やみくもに開催。

② 開催準備資金・リスクを公共が負担――民間資金活用を謳いながら、実際のリスクは公共が負う

 東京五輪の開催費用 1兆 6400 億円のうち、組織委員会が自前で用意した資金は約 7000億円、残り 9000億円は国と東京都の税金である。さらに国は別途 1兆6000億円の国費を五輪目的に使用したと会計検査院に指摘されていて、東京都も別途約8000億円の予算を施設・道路整備管理費などに拠出。つまり、公共の負担が無ければ五輪開催は不可能なのだ。

③ スポンサー広告による熱狂醸成――巨大スポンサー企業による大々的な広告展開が熱狂と支持を作り出す

 現在はコロナ禍で印象が薄いが、昨年の1月~3月頃までは、五輪スポンサーの溢れるような広告が様々な媒体で展開されていた。コロナがなければ、そのまま怒涛のような広告攻勢が展開されていただろう。

④ セキュリティ強化――テロ対策を標榜しつつ、反対運動や会場周辺低所得層や路上生活者を排除

 対テロ対策は東京五輪の最重要課題であり、その費用はほぼ青天井とされていた。入国の際の人体識別装置の開発には、スポンサー企業に対して多額の税金補助が行なわれていた。

⑤ 環境や社会貢献の喧伝――最先端のテクノロジー投入による環境負荷低減を謳うが、実際はその逆の結果に

 新国立競技場建設で国産木材の使用が喧伝されたが、実際には東南アジアで違法伐採された木材が大量に使用された。多方面での五輪の社会貢献が喧伝されてきたが、そのトップであった森喜朗会長は女性蔑視発言で辞職、開会式総責任者も女性の容姿を侮辱したとして辞職した。組織委員会が標榜してきた男女平等やあらゆる差別への反対は、形ばかりであったことが示された。

⑥ 政治的スペクタクル化――開閉会式、聖火リレーなどを通じて開催国としての「誇り」が増幅され、ネガティブ情報を抹殺する

 反対が多い中で聖火リレーを強行し、NHKや開催地の民放テレビはその様子を中継。ランナー走行中に発せられた五輪反対の声は消音され、五輪反対のプラカードを持った男性は「五輪憲章に反している」などと立ち退きを迫られた。正にネガティブ情報は抹殺されているのだ。

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