いま、この惑星で起きていること――新技術は地球を救うか? ⑤
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■ 霞を食べて生きる時代
発想を百八十度変えることで、物事の新しい局面が切り開かれることを、ドイツの哲学者カントは「コペルニクス的転回」と呼んだ。今日では、こうした常識に反するような革新的な温暖化対策もとられはじめている。
たとえばアメリカのとある宝石会社は、昨年末に空気中の CO2 からダイヤモンドを作ることに成功した。輝きも金額も目の眩むダイヤモンドだが、成分は結局のところ二酸化炭素と同じ炭素だ。20 トンの CO2 から 1カラットのダイヤモンドが作れるという。いよいよ不要物から愛を語れる時代が来たようだ。
また環境負荷の小さいエコな食糧開発も進んでいる。フィンランドの食品会社は、微生物と空気を原料とするたんぱく質の粉の製造に挑戦している。この魔法の粉は、パンや麺、揚げればトンカツ風にもなって、食糧問題や温暖化の解決に一役買うことが期待されている。もはや霞を食べて生きるのは、仙人だけではない時代が到来する。
しかし、そんな技術革新に頼りきらず、一人一人が温暖化を抑え込む努力をすることも重要だろう。未来は明るいと、生前に胸を張って伝えたい。
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