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2021年7月 5日 (月)

Report 2021 ヘルスリテラシー ②

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 健康や医療に関する情報を探し、理解し、活用する力は、ヘルスリテラシー(健康リテラシー)と呼ばれ、欧米ではその向上への取り組みが健康政策の大きな課題になっている。米国を中心とした研究では、ヘルスリテラシーが低いと、健康状態が悪いだけでなく、救急医療のサービスの利用が多い。入院率が高い、検診受診率が低い、治療が遅れたり治療ミスに結び付きやすいことなどが挙げられている。

 聖路加国際大学看護情報学教授の中山和弘氏らは、ヘルスリテラシーの測定尺度の一つであるヨーロッパヘルスリテラシー調査質問紙(HLS-EU-Q47)によって日本のヘルスリテラシーの状況の調査を行った。調査票は 47 の質問から成り、50点満点でスコア化する。調査結果を、EU 8か国、アジア 5か国での調査結果と比較したところ、日本の平均点は 25.3 点だったのに対して、ヨーロッパ勢はオランダ 37.1 点を筆頭に、アイルランド 35.2 点、ブルガリア 30.5 点など、アジア勢は台湾 34.4 点を筆頭にインドネシア 31.4 点、ベトナム 29.6 点など、いずれも日本の値を上回っていた。

 日本のヘルスリテラシーが低い要因としては、プライマリ・ケアの機能が不十分であることや、健康情報を市民向けに豊富に収集した米国のメドラインプラス のような信頼できる総合的なサイトが不足していることなど、多くの課題が指摘されている。

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