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2021年7月 2日 (金)

いま、この惑星で起きていること――新技術は地球を救うか? ④

続き:

切る札の裏切り

 次は、今の温暖化対策が間違っているかもしれないという話を紹介したい。

 太陽のエネルギーは莫大である。地球に届く一時間分の太陽エネルギーは、人類が 1年で使う総エネルギーに相当する。そのうえ、太陽光発電から出る CO2 量は火力発電に比べて格段に小さい。土地が広く、年中晴れて日射も強い砂漠は、ソーラー発電の格好の場所であり、世界最大級の発電所のほとんどがそこにある。特に期待されるのが地球最大の砂沙漠であるサハラで、その 20%の面積にソーラーパネルを敷き詰めれば、世界全体の電力消費を賄うことができるとも試算されている。

 ところが昨今発表された研究によれば、そのおいしい効果は限定的で、地球規模では温暖化助長する暖房効果があることが判明した。太陽光のうち電力として回収できるのは 15%ほどで、余剰分は再び空気中に戻される。一方、現在の太陽光パネルは表面が黒いので、その分、熱を吸収して空気を暖めることになる。その規模が大きいほどマイナスの効果は絶大で、サハラ砂漠の太陽光発電は地球全体に温暖化を加速させるほどの気温上昇をもたらす可能性があるという。
 北欧ルンド大学のルー博士らによる試算はこうだ。もしサハラ砂漠の 20 %の面積に太陽光パネルを敷き詰めると、サハラ砂漠の気温は 1.5 ℃上昇、50%なら 2.5 ℃にもなるなどという。この熱は世界に広がって、地球全体の気温も押し上げる。

 加えて、CO削減や気温低下につながると考えられてきた植物の栽培もまた、大きな落とし穴を秘めているらしいとする研究も発表されている。独逸ポツダム気候影響研究所のシュテンツェル博士によると、もし地球の気温上昇を 1.5 ℃以内に抑えるために大量の農作物や樹木を植えたとすると、2100年までに 45 億人が水不足の影響を受けることになるかもしれないという。人口増加や高温でただでさえ水が必要な時代に、木々に水をお裾分けする余裕はなさそうでである。何らかの方向転換が必要ということだ。

 

 

 

 

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