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2021年8月 4日 (水)

祝賀資本主義のグロテスクな象徴 ⑥

続き:

◉ コスト監視できない仕組みを半官半民で構築

 こうしたメディアの抱き込みで世論操作を画策する一方で、組織委員会はさらにもっとも実質的な部分であるカネの流れを第三者に検証させないシステムを作り上げている。

 2021/04/01 現在の組織委員会数は 3929名。東京都1113名、国から73名、地方自治体からの出向者477名などの公務員と、民間910名(電通やスポンサー企業等からの出向者)、契約社員954名、人材派遣371名などで構成されている。特に電通は約150名を常駐させており、同社のスポーツ局の人員合わせれば、常時数百人が五輪業務に従事している。

 この人員構成をみれば明らかだが、組織委員会は公益財団法人でありながら、民間法人としての形もとっている。つまり半官半民であり、みなし公務員という位置づけなのだ。

 つまり、国民に対してはお堅い官の顔をちらつかせながら、スポンサー契約やチケット販売、様々な資材の調達は民間の手法で行なう。民間契約ならば守秘義務があるため、いちいち国会などで開示請求に答える義務も無くなる。これは極めて巧妙な手法だ。

 もう少しわかりやすく言うならば、組織委員会の出してくる費用概算はすべて総額であり、その根拠になる細かな単価、積算根拠は示されていないということだ。チェックが不可能なので、堤示する金額が正しいかどうか、第三者には確かめようが無い。

 たとえば、組織委員会はスポンサー収入の総額 3400億円と公表してきた。その真偽を確かめるため、その根拠となる企業別のスポンサー料金の開示を求めたがそれは秘密保持契約があるからダメだという。それで許されるなら、本当のスポンサー収入がいくらなのか、分からないではないか。

 2021/03/31、毎日新聞は「五輪費用、あれもこれも総額 組織委員会、実際単価示さず「参考値」」という記事を掲載した。そこでは、「五輪競技会場の運営は企業が担うため、そこのかかる費用は「民民契約」で決まる。そのため、予算はより見えなくなる。組織委員会は国から「公益性」を認定された税制優遇のある公益財団法人。予算書や事業計画書などの開示義務はあるものの、会場の運営委託費については、テスト大会の委託先と委託費の総額が示されているだけ。そこには人件費単価などの積算根拠は示されていない」と報じられている。

 東京五輪の招致の際、約7400億円で開催できると言われていたが、現在の組織委員会発表による総コストは 1兆 6400億円、その 2倍以上だ。さらに国と東京都は 1兆8000億円の税金を五輪用に使っており、それを合わせれば、今回の五輪に費やす金額は約 3兆 5000億円と、目もくらむばかりの巨費となるのだ。しかもその大半は税金なのだから、五輪開催費用の中身は厳しく検証されなければならない。

 それなのに、組織委員会は民民契約を盾にして、新聞社や国会での野党議員の追及にも、様々な契約内容や積算根拠を明かさない。これこそまさに、五輪とは徹底的に国民の税金を吸い上げる「夢の集金システム」なのだ、という証左ではないか。祝賀資本主義は、凄まじいばかりに税金をむさぼり食うのである。

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