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2021年8月20日 (金)

カーボンプライシング ①

有村俊秀(早稲田大学政治経済学術院教授)さんの小論 「世界 8」に載せる コピーペー:

   はじめに

 気候変動の危機が多くの人々に共有されるようになり、世界各国が二酸化炭素の排出をゼロにする脱炭素に舵を切るようになってきた。日本でも、菅総理が2050年までの実質排出ゼロにする脱炭素宣言を行なった。そして、その達成のための政策手段として、カーボンプライシングが取り上げられ、現在、環境省と経済産業省の両省で議論が進んでいる。筆者(有村)もカーボンプライシングの専門家として、両省の議論に参加している。カーボンプライシングは市場メカニズムを活用し、より安く二酸化炭素の削減を実現することによって、気候変動問題に貢献できる政策手段である。

 省エネでは世界をリードしてきた日本は、今、カーボンプライシングでは世界に遅れを取っている。このカーボンプライシングとはどのようなものか、意義、効果、課題と日本における展望について説明したい。

1 カーボンプライシングとは

 カーボンプライシングとは、二酸化炭素を中心とした温室効果ガスに価格をつけ、排出削減を目指す政策手段である。炭素(カーボン)に値段をつけるので、カーボンプライシングと呼ばれる。

 カーボンプライシングは、経済学の考え方に基づいて提案されてきた政策手段である。経済学では、環境問題が発生するのは、自然環境が市場の外にあるからである、と考える。値段のついていない自然環境を、企業や消費者がタダと考え、過剰に使用してしまう。市場の外で問題を起こす、ということで、経済学では環境問題のことを外部不経済と呼んでいる。

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